難波 修史 先生
(認知心理学)
先生のこれまでの研究活動について簡単に教えてください。
「人が楽しいと感じたときに思わず出る表情ってどんなもの?」「意図的に作った表情はどのような形態になる?」「恥ずかしい時に出る笑いと嬉しい時に出る笑いの違いは?」「人の内的状態をある程度正確に予測するためのメカニズムってどんな感じ?」などなど…。広く感情コミュニケーションに関わる問いに関して、自分なりに研究活動を展開してきました。
研究テーマに関心をもったきっかけは何ですか?
自分は全く怒っていないのに、会話をしていると「なんか怒っている?」と友人に聞かれたことがきっかけです。そのとき、「人はなにに基づいて内的状態を推定しているのだろう」というところに関心を持ちました。そのときの自分なりの答えが、「まぁ表情だろうな」でした。そこで自分なりに感情と表情について調べてみると、そもそもめちゃくちゃ基本的なところからわかってないことが判明したので、「ほな自分がやろか」となりました。
先生の研究ではどのようなデータを取得するのでしょうか?
最初の研究は映像に含まれる表情反応を対象に、Frameごとで各表情運動 (口角の上昇など) の生起回数を数えたりしてました…。最近は機械学習がめざましい発展を遂げて、自動で表情運動を推定できるようになったので、助かります (精度は手動の場合よりも低くなってしまいますが)。表情の研究が専門なので、観察可能なデータから対象行動の頻度を数え上げる研究がメインですね。あとは、質問紙やオンラインで行う実験課題とか、目的に応じて色々使い分けますかね。
心理学の魅力について教えてください。
心理学は、その学問における対象がわたしたちの「心」です。なので、心理学を学ぶほどわたしたちの日常生活を理解するきっかけとなって、自分に潜む様々な考え方のくせみたいなものを俯瞰的に捉えれるようになる学問だと思います。心理学、という学問を通して、自分や自分の大切な人を理解するきっかけが生まれる、というのは魅力的なことじゃありませんか。